完了動名詞
Perfect Gerund
概要
この文法は何か
完了動名詞(having + 過去分詞)は、主文の動詞よりも前に起こった行動を表します。regret, deny, admit等の動詞の後や、前置詞の後で使われ、過去の行動について言及する際に用いられます。
いつ使うか
主文の動詞より前に起こった出来事を強調したい場合、過去の行動を後悔・否定・認める場合、時間的な前後関係を明確にしたい場合に使います。
作り方
having + 過去分詞(例:having seen, having finished, having been)
重要ポイント
- 1主文の動詞よりも前の時点を表す
- 2regret/deny/admit等の動詞の後によく使われる
- 3前置詞の後でも使える(after/before having done等)
- 4単純動名詞(-ing)でも同じ意味になることが多い
- 5時間的な前後関係を強調したい場合に特に有用
ルールと例文
後悔・否定・認識を表す動詞 + 完了動名詞
regret/deny/admit + having + 過去分詞
I regret having said those words.
あんな言葉を言ったことを後悔しています。
He denied having stolen the money.
彼はお金を盗んだことを否定しました。
She admitted having made a mistake.
彼女は間違いを犯したことを認めました。
They regret not having attended the meeting.
彼らは会議に出席しなかったことを後悔しています。
前置詞 + 完了動名詞
after/before/without + having + 過去分詞
After having finished my work, I went home.
仕事を終えた後、私は家に帰りました。
Before having breakfast, she went for a run.
朝食を取る前に、彼女はジョギングに行きました。
He left without having said goodbye.
彼はさよならも言わずに去りました。
She apologized for having been late.
彼女は遅れたことについて謝罪しました。
感謝・謝罪の表現 + 完了動名詞
thank/apologize for + having + 過去分詞
Thank you for having invited me.
招待してくださってありがとうございます。
I apologize for having kept you waiting.
お待たせして申し訳ございません。
She thanked him for having helped her.
彼女は彼が手伝ってくれたことに感謝しました。
We are grateful for having been given this opportunity.
この機会を与えていただいたことに感謝しています。
記憶・認識を表す動詞 + 完了動名詞
remember/recall + having + 過去分詞
I remember having met her before.
以前彼女に会ったことを覚えています。
He recalled having visited this place.
彼はこの場所を訪れたことを思い出しました。
I don't remember having said that.
そんなことを言った覚えはありません。
She recalls having heard this song before.
彼女は以前この歌を聞いたことを思い出します。
否定形
パターン
not + having + 過去分詞
I regret not having studied harder.
もっと一生懸命勉強しなかったことを後悔しています。
She apologized for not having called earlier.
彼女はもっと早く電話しなかったことを謝罪しました。
He denied not having been there.
彼はそこにいなかったことを否定しました。
They thanked us for not having forgotten.
彼らは忘れなかったことに感謝しました。
注意: 否定形はhavingの前にnotを置きます。not having doneの形になります。
よく使うパターン
regret + having + 過去分詞
〜したことを後悔する
deny + having + 過去分詞
〜したことを否定する
admit + having + 過去分詞
〜したことを認める
after + having + 過去分詞
〜した後
without + having + 過去分詞
〜せずに
thank/apologize for + having + 過去分詞
〜してくれて感謝する / 〜して謝罪する
使用シーン
過去の行動を後悔する
過去にしたこと・しなかったことを後悔する場面
I regret having wasted so much time.
あんなに時間を無駄にしたことを後悔しています。
She regrets not having told the truth.
彼女は真実を言わなかったことを後悔しています。
We regret having ignored the warning.
警告を無視したことを後悔しています。
フォーマルな謝罪や感謝
丁寧に謝罪したり感謝したりする場面
I apologize for having caused any inconvenience.
ご不便をおかけして申し訳ございません。
We thank you for having attended the conference.
会議にご出席いただきありがとうございます。
I apologize for not having responded sooner.
もっと早く返信しなかったことをお詫びします。
法的・公式な文脈での否定や認識
正式な場面で事実を否定したり認めたりする場面
The defendant denied having been at the scene.
被告は現場にいたことを否定しました。
The witness admitted having seen the suspect.
証人は容疑者を見たことを認めました。
The company acknowledged having violated regulations.
会社は規制に違反したことを認めました。
会話例
過去の決断について話す
Do you ever regret having moved to this city?
この街に引っ越したことを後悔することはある?
Sometimes. I regret not having spent more time with my family back home.
時々ね。故郷の家族ともっと時間を過ごさなかったことを後悔してる。
I understand. But you should be proud of having taken this opportunity.
わかるよ。でもこの機会を掴んだことを誇りに思うべきだよ。
You're right. I'm grateful for having made this decision.
その通りだね。この決断をしたことに感謝してるよ。
ビジネスメールでの謝罪
Dear Mr. Smith, I apologize for not having replied to your email sooner.
スミス様、メールへの返信が遅れましたことをお詫び申し上げます。
I regret having caused any delay in the project.
プロジェクトに遅延を生じさせてしまったことを後悔しております。
Thank you for having brought this matter to my attention.
この件についてご注意いただきありがとうございます。
学習のコツ
- 💡完了動名詞(having done)は時間的な前後関係を強調したい場合に使う
- 💡多くの場合、単純動名詞(doing)でも同じ意味になるが、完了動名詞の方がフォーマル
- 💡regret/deny/admit等の動詞とセットで覚える
- 💡前置詞(after/before/without/for)の後でも使えることを覚える
- 💡過去分詞の不規則変化をしっかり覚える
- 💡ビジネス英語や公式文書でよく使われる表現
文化的注意点
完了動名詞は非常にフォーマルな表現。日常会話では単純動名詞(-ing)で代用されることが多い。
ビジネスメールや公式文書では、謝罪や感謝の表現で頻繁に使われる(apologize for having...)。
法的文書や証言では、時間的な前後関係を明確にするために完了動名詞が好まれる。
よくある間違い
I regret having went there. (過去形を使っている)
I regret having gone there.
完了動名詞ではhavingの後に過去分詞を使います。wentではなくgoneが正しいです。
She denied to have stolen it. (不定詞を使っている)
She denied having stolen it.
denyの後は動名詞を使います。完了形ならhaving + 過去分詞です。
After have finished, I left. (havingがhaveになっている)
After having finished, I left.
前置詞の後は動名詞形(having)を使います。haveは使えません。
Thank you for have helped me. (havingがhaveになっている)
Thank you for having helped me.
前置詞forの後は動名詞形(having)を使います。haveは使えません。
I regret have not studied harder. (語順が間違い)
I regret not having studied harder.
否定形はnot having + 過去分詞の語順になります。
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