受動態の不定詞・動名詞
Passive Infinitive and Gerund
概要
この文法は何か
受動態の不定詞(to be + 過去分詞)と受動態の動名詞(being + 過去分詞)は、行為の受け手の視点から表現する際に使います。「〜されること」という意味を表し、能動態の不定詞・動名詞とは異なるニュアンスを持ちます。
いつ使うか
主語が行為の受け手である場合、行為者を明示しない場合、フォーマルな文脈で客観的に述べる場合に使います。
作り方
受動態の不定詞: to be + 過去分詞、受動態の動名詞: being + 過去分詞、完了形: to have been + 過去分詞 / having been + 過去分詞
重要ポイント
- 1受動態の不定詞: to be + 過去分詞(例: to be told)
- 2受動態の動名詞: being + 過去分詞(例: being told)
- 3完了受動態の不定詞: to have been + 過去分詞
- 4完了受動態の動名詞: having been + 過去分詞
- 5行為者はby句で示すことができる(省略可能)
ルールと例文
受動態の不定詞(基本形)
to be + 過去分詞
I want to be invited to the party.
パーティーに招待されたい。
She expects to be promoted this year.
彼女は今年昇進されることを期待しています。
The package needs to be delivered by Friday.
荷物は金曜日までに配達される必要があります。
He hopes to be selected for the team.
彼はチームに選ばれることを望んでいます。
受動態の動名詞(基本形)
being + 過去分詞
I hate being criticized.
私は批判されるのが嫌いです。
She enjoys being praised.
彼女は褒められるのが好きです。
He denied being involved in the incident.
彼はその事件に関与していたことを否定しました。
They appreciated being given the opportunity.
彼らは機会を与えられたことに感謝しました。
完了受動態の不定詞
to have been + 過去分詞
She claims to have been treated unfairly.
彼女は不当に扱われたと主張しています。
He appears to have been informed already.
彼はすでに知らされているようです。
The letter seems to have been sent yesterday.
手紙は昨日送られたようです。
They are believed to have been rescued.
彼らは救助されたと信じられています。
完了受動態の動名詞
having been + 過去分詞
He regrets having been rude to her.
彼は彼女に失礼だったことを後悔しています。
She denies having been told about it.
彼女はそれについて知らされていたことを否定しています。
After having been rejected, he tried again.
拒否された後、彼は再挑戦しました。
They admitted having been warned.
彼らは警告されていたことを認めました。
否定形
パターン
not to be + 過去分詞 / not being + 過去分詞
I prefer not to be disturbed.
邪魔されないことを好みます。
She hates not being included.
彼女は仲間に入れてもらえないのが嫌いです。
He chose not to be involved.
彼は関与しないことを選びました。
They regret not having been informed.
彼らは知らされなかったことを後悔しています。
注意: 否定形はto beやbeingの前にnotを置きます。not to be done、not being doneの形になります。
よく使うパターン
want/expect + to be + 過去分詞
〜されたい / されることを期待する
need/require + to be + 過去分詞
〜される必要がある
hate/enjoy + being + 過去分詞
〜されるのが嫌い / 好き
avoid/deny + being + 過去分詞
〜されることを避ける / 否定する
seem/appear + to have been + 過去分詞
〜されたようだ
使用シーン
希望や期待を表す
何かをされたいという願望を述べる場面
I want to be remembered for my achievements.
私は自分の功績で記憶されたいです。
She hopes to be accepted into the university.
彼女は大学に受け入れられることを望んでいます。
They expect to be treated fairly.
彼らは公平に扱われることを期待しています。
感情を表す
何かをされることに対する感情を述べる場面
I enjoy being challenged.
私は挑戦されるのが好きです。
She hates being criticized in public.
彼女は人前で批判されるのが嫌いです。
He doesn't mind being corrected.
彼は訂正されても気にしません。
フォーマルな文脈での必要性
何かをされる必要があることを述べる場面
This document needs to be signed by the manager.
この書類はマネージャーによって署名される必要があります。
The issue requires to be addressed immediately.
この問題は直ちに対処される必要があります。
All applications must be submitted by Monday.
すべての応募書類は月曜日までに提出されなければなりません。
会話例
仕事での評価について話す
How do you feel about being evaluated?
評価されることについてどう思う?
I don't mind being judged on my performance. I want to be recognized for my hard work.
自分の成果で判断されるのは気にしないよ。自分の努力が認められたいんだ。
That makes sense. Do you expect to be promoted soon?
それは理にかなってるね。近々昇進されることを期待してる?
I hope to be considered for the position.
そのポジションの候補に考えられたいね。
過去の出来事について話す
Did you hear about John?
ジョンのこと聞いた?
Yes, he claims to have been treated unfairly.
うん、不当に扱われたって主張してるよね。
He regrets having been so trusting.
彼はあんなに信用し過ぎたことを後悔してるんだ。
After having been deceived, he became more cautious.
騙された後、彼はもっと慎重になったよ。
学習のコツ
- 💡受動態の不定詞: to be + 過去分詞、動名詞: being + 過去分詞と覚える
- 💡完了形では: to have been + 過去分詞、having been + 過去分詞
- 💡不定詞を取る動詞の後 → to be done、動名詞を取る動詞の後 → being done
- 💡「〜されること」という日本語訳を意識する
- 💡能動態と受動態で意味が大きく変わることに注意
- 💡need/require + to be doneはビジネス英語で頻出
文化的注意点
ビジネス英語では受動態の不定詞・動名詞が頻繁に使われる。特に"need to be done"や"require to be done"は非常に一般的。
受動態を使うことで、行為者を明示せず客観的に述べることができるため、フォーマルな文書で好まれる。
日常会話では能動態の方が好まれる傾向があるが、感情を表す場合(enjoy being praised等)は受動態もよく使われる。
よくある間違い
I want to invite to the party. (受動態が必要)
I want to be invited to the party.
「招待されたい」という意味なので、受動態のto be invitedが必要です。
She enjoys praise. (動名詞が必要)
She enjoys being praised.
enjoyの後は動名詞が必要で、受動態の意味なのでbeing praisedを使います。
This needs to fix. (受動態が必要)
This needs to be fixed.
「修理される必要がある」という受動態の意味なので、to be fixedが正しいです。
He avoided to be seen. (動名詞が必要)
He avoided being seen.
avoidの後は動名詞を使うので、being seenが正しいです。
She seems to been told. (beが抜けている)
She seems to have been told.
完了受動態の不定詞はto have been + 過去分詞の形です。beが必要です。
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