TOEICリスニングの概要と特徴
TOEIC Listening & Reading Testのリスニングセクションは、全200問中100問を占める重要なパートです。約45分間で4つのパートに分かれた問題に解答します。
リスニングセクションは、リーディングセクションと比較してスコアを伸ばしやすいと言われています。その理由は、出題パターンが明確で、適切なトレーニングを積めば確実に聞き取れるようになるからです。
Part1〜4の構成
| Part | 問題形式 | 問題数 | 時間 |
|---|---|---|---|
| Part1 | 写真描写問題 | 6問 | 約3分 |
| Part2 | 応答問題 | 25問 | 約9分 |
| Part3 | 会話問題 | 39問 | 約17分 |
| Part4 | 説明文問題 | 30問 | 約16分 |
Part1とPart2は比較的短い音声を聞いて解答するため、初心者でも取り組みやすいパートです。Part3とPart4は長めの音声を聞いて複数の設問に答える形式で、より高い集中力が求められます。
リスニングが重要な理由
TOEICで高得点を目指すなら、リスニングセクションを強化することが最短ルートです。
- •配点が半分を占める: 100問で495点満点(全体の50%)
- •時間効率が良い: 45分で100問(リーディングは75分で100問)
- •スコアの伸びが速い: 正しいトレーニングで短期間にアップ可能
TOEICリスニングが聞き取れない5つの原因
「音声が速すぎて聞き取れない」「何を言っているかわからない」という悩みを抱える学習者は多いです。聞き取れない原因を理解し、適切に対処することがスコアアップへの第一歩です。
1. 英語の音変化を知らない
ネイティブスピーカーは、単語と単語をつなげて発音します(リンキング)。また、特定の音を省略したり弱く発音したりします(リダクション)。
例:
- •"What are you doing?" → "Whaddaya doing?"(ワダヤドゥーイング)
- •"I want to go" → "I wanna go"(アイワナゴー)
- •"going to" → "gonna"(ゴナ)
2. 語彙力・表現力が不足している
音が聞き取れても、単語の意味がわからなければ内容を理解できません。TOEICではビジネス英語が中心なので、日常会話とは異なる表現が多く登場します。
TOEICでよく出る表現:
- •"be supposed to"(〜することになっている)
- •"make sure"(確認する)
- •"in advance"(前もって)
- •"as soon as possible"(できるだけ早く)
3. 読解スピードが遅い
意外かもしれませんが、読むスピードがリスニング力に影響します。音声を聞いて理解するには、脳内で英語を処理する速度が音声のスピードに追いつく必要があります。
読解が遅いと、聞こえてきた情報を処理している間に次の情報が流れてしまい、追いつけなくなります。
4. 集中力が続かない
45分間の集中力を維持するのは簡単ではありません。特に後半のPart3・4では疲労から集中力が切れ、聞き逃しが増えます。
普段から長時間英語を聞く習慣をつけ、集中力のスタミナを鍛えることが重要です。
5. 試験形式に慣れていない
TOEICには独特の出題パターンがあります。形式に慣れていないと、問題の先読みや選択肢の吟味に時間がかかり、音声を聞く余裕がなくなります。
公式問題集などで形式に慣れておくことが大切です。
効果的なリスニング勉強法5選
リスニング力を効果的に伸ばすためのトレーニング方法を5つ紹介します。どれも実績のある方法なので、自分に合ったものを継続して取り組んでください。
1. シャドーイング
シャドーイング(Shadowing)は、音声を聞きながら、影(shadow)のように少し遅れて同じ音声を真似して発話するトレーニングです。
やり方:
- 1スクリプトなしで音声を聞く
- 2音声に0.5〜1秒遅れて声に出して真似する
- 3ついていけない箇所をスクリプトで確認
- 4繰り返し練習
- •リスニング力と発音が同時に鍛えられる
- •英語の音変化やリズムが身につく
- •通勤・通学中にもできる
2. ディクテーション
ディクテーション(Dictation)は、音声を聞いて聞こえた通りに書き取るトレーニングです。
やり方:
- 1短い音声(15〜30秒程度)を聞く
- 2聞こえた内容を書き取る
- 3スクリプトと照合し、間違いを確認
- 4聞き取れなかった箇所を重点的に練習
- •自分の弱点が明確になる
- •細部まで聞き取る力がつく
- •音と文字の結びつきが強化される
3. オーバーラッピング
オーバーラッピング(Overlapping)は、スクリプトを見ながら音声に合わせて同時に発話するトレーニングです。
やり方:
- 1まず音声を聞いて内容を把握
- 2スクリプトを見ながら音声と同時に発話
- 3発音・イントネーション・スピードを完全に真似る
- 4スクリプトなしでも言えるようになるまで繰り返す
- •ネイティブのスピードに慣れる
- •正しい発音・イントネーションが身につく
- •シャドーイングの準備運動になる
4. 音読トレーニング
音読は、スクリプトを見ながら声に出して読むトレーニングです。シンプルですが、継続すると大きな効果があります。
ポイント:
- •お手本音声のモノマネ芸人になる: 発音・抑揚・息継ぎまで完全にコピー
- •意味を理解しながら読む
- •最初はゆっくり、徐々にスピードアップ
5. 単語学習(発音付き)
語彙力がなければ、いくら音が聞き取れても内容を理解できません。単語学習は発音と一緒に覚えることがポイントです。
効果的な覚え方:
- •音声付きの単語帳を使う
- •単語を見たら発音を聞いて真似る
- •例文で使い方も一緒に覚える
- •TOEIC頻出単語を優先的に学習
- •deadline(締め切り)
- •appointment(予約、約束)
- •postpone(延期する)
- •confirm(確認する)
- •available(利用可能な)
パート別攻略法
TOEICリスニングは4つのパートで構成されており、それぞれに効果的な解答テクニックがあります。パートごとの特徴を理解し、適切な戦略を立てましょう。
Part1: 写真描写問題のコツ
1枚の写真を見て、4つの説明文から正しいものを選ぶ問題です(6問)。
攻略ポイント:
- •写真の種類を見分ける: 「人物1人」「人物複数」「風景」の3パターン
- •人物1人: 動作(What is the person doing?)に注目
- •人物複数: 位置関係や共通の動作に注目
- •風景: 物の位置や状態に注目
- •写真にない物について言及する選択肢
- •似た音の単語を使った選択肢(例: copying / coffee)
- •A man is typing on a keyboard.(男性がキーボードをタイプしている)
- •Some chairs are arranged around a table.(椅子がテーブルの周りに配置されている)
Part2: 応答問題のコツ
質問や発言に対する適切な応答を3つの選択肢から選ぶ問題です(25問)。
攻略ポイント:
- •疑問詞(5W1H)を聞き逃さない: 冒頭の Who, Where, When などが最重要
- •Yes/No疑問文: 必ずしもYes/Noで答えるとは限らない
- •間接的な応答: 直接答えない選択肢が正解になることも多い
Part3: 会話問題のコツ
2〜3人の会話を聞いて、3つの設問に答える問題です(39問/13セット)。
攻略ポイント:
- •先読み必須: 音声が流れる前に設問と選択肢を読んでおく
- •会話の場面を把握: オフィス、店舗、電話など
- •話者の関係を理解: 上司と部下、店員と客など
- •What are the speakers discussing?(話者は何について話していますか?)
- •What will the man probably do next?(男性は次に何をするでしょうか?)
- •What does the woman suggest?(女性は何を提案していますか?)
Part4: 説明文問題のコツ
1人のスピーカーによる説明を聞いて、3つの設問に答える問題です(30問/10セット)。
攻略ポイント:
- •冒頭で状況を把握: 留守番電話、ニュース、社内アナウンスなど
- •「誰が」「誰に」「何を」話しているかを意識
- •数字・固有名詞に注意: 日時、金額、人名、会社名など
- •留守番電話メッセージ: 予約確認、変更連絡など
- •社内アナウンス: 会議変更、イベント案内など
- •ラジオ/ニュース: 天気予報、交通情報など
- •店内放送: セール情報、営業時間変更など
試験本番で使えるテクニック
勉強法だけでなく、試験本番で実力を発揮するためのテクニックも重要です。これらを身につけることで、同じ実力でもスコアを最大化できます。
先読みテクニック
Part3・4では、音声が流れる前に設問と選択肢を先読みすることが必須です。
先読みの手順:
- 1Part3開始前のディレクション中に最初のセットの設問を読む
- 2各セットの3問目を解答したら、すぐに次のセットの設問を読む
- 3選択肢は全部読まなくてもOK。キーワードだけ拾う
- •先読みに集中しすぎて音声を聞き逃さない
- •わからない問題は潔く諦めて次へ
消去法の活用
正解がわからなくても、明らかに間違いの選択肢を消去することで正答率を上げられます。
消去のポイント:
- •会話に登場しなかった単語を含む選択肢
- •質問と合わない回答(Where に対して Yes/No など)
- •音声とは逆の内容(肯定と否定)
- •誤: The meeting is cancelled.(会議は中止された)
- •正: The meeting will be held on Friday.(会議は金曜に開催される)
集中力を維持する方法
45分間の集中力を維持するためのコツを紹介します。
集中力維持のコツ:
- •前日は十分な睡眠を取る: 睡眠不足は集中力の大敵
- •Part1でペースをつかむ: 最初の簡単なパートでリズムを作る
- •わからない問題は引きずらない: 1問に固執せず次へ進む
- •深呼吸で切り替え: パート間で一呼吸置く
- •Part1: 約3分(ウォーミングアップ)
- •Part2: 約9分(リズムを維持)
- •Part3: 約17分(先読みが鍵)
- •Part4: 約16分(最後の集中力勝負)
おすすめ教材・アプリ
効果的な学習には質の良い教材が欠かせません。目的別におすすめの教材を紹介します。
公式問題集(必須)
ETS公式TOEIC Listening & Reading問題集は、本番と同じ形式・難易度の問題が収録されており、必須の教材です。
使い方:
- 1時間を計って本番同様に解く
- 2採点後、間違えた問題を分析
- 3スクリプトを使ってシャドーイング
- 4苦手なパートを重点的に復習
単語帳
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
- •TOEIC頻出単語を効率的に学習
- •音声付きで発音も確認できる
- •レベル別に整理されており学習しやすい
- •1日30分など時間を決めて毎日取り組む
- •必ず音声を聞いて発音を確認
- •例文で使い方も一緒に覚える
リスニング対策アプリ
スキマ時間を活用できるアプリも効果的です。
おすすめアプリ:
- •スタディサプリENGLISH TOEIC対策: 動画講義とトレーニングが充実
- •abceed: TOEIC教材が豊富で、AIによる弱点分析機能あり
- •Memorize: 単語学習に特化、発音確認もできる
- •通勤・通学時間を活用
- •毎日10分でも継続が大切
- •模試機能で定期的に実力チェック
まとめ:リスニング上達の3つの鉄則
TOEICリスニングでスコアアップするためのポイントをまとめます。
鉄則1: 毎日英語を聞く習慣をつける
1日30分でも毎日英語を聞くことで、耳が英語に慣れていきます。シャドーイングや音読を日課にしましょう。
鉄則2: 音と意味を結びつけて覚える
単語は必ず発音と一緒に覚えます。聞いて意味がわかる単語を増やすことが、リスニング力向上の基盤です。
鉄則3: 実践形式で練習する
公式問題集を使って本番同様の環境で練習し、試験形式に慣れましょう。解答後のスクリプト学習も忘れずに。
リスニング力は正しい方法で継続すれば必ず伸びます。今日紹介した勉強法とコツを実践して、目標スコアを達成しましょう!